DIG

自戒をこめて

趣味のほうのTwitterアカウントを削除するにあたり、いろいろなサイトにくっつけたリンクを消していく作業をしていた。

 

で、ポートフォリオサイトを見た時、とてもごちゃついているのに気が付いた。

デフォルメ絵、厚塗りクリーチャー、それらがバラバラにぶっこまれていて

「なんでも描けるけど描きたいものはわかりません!!」というメッセージに見えた。

 

絵を仕事にしたい!

その一心でデフォルメ絵を描くようになった。

もとはリアルタッチな画風だったけれど、イラストカットなどの仕事では

圧倒的にデフォルメ絵のほうが需要がある。万人受けするからだ。安いし。

実際、仕事になった。おかげで世の中に私の絵を使った本がいくつか出た。

 

しかし私の心中は五里霧中、「こんなことがしたかったのか?」と疑問を抱き、

描いてもつまらないので筆が進まなくなってきた。

だんだんと「絵を描くことがつまらない」と感じるようになっていて、正直そろそろ筆を折ろうかと考えていた。

 

で、このたびのリンク整理での気づきである。

私が描きたい・見てほしいのは厚塗りクリーチャーや劇画っぽい漫画タッチの作品であって

万人受けするデフォルメじゃない!!!!!!

 

よーーーーやく、わかった。

「好きなことを仕事に」の意味。

というか、好きなことに全力で打ち込んで続けられた人が

結果的にそれで食っていけてるんじゃないか?

 

 

私には今推してる人が二人いる。

声優の咲野俊介さんと、歌手の西寺郷太さん。

お二人とも、しっかりと自分の立ち位置を確立していて

やりたいことで生きている。めちゃうらやましい。ああいう大人になりたい。マジで。

 

咲野俊介さんは洋画の吹き替えメインにご活躍で、渋いオジサンから悪役、ダーティな役まで演じる。舞台にも出る。

西寺郷太さんはノーナリーヴスのボーカルとして有名だが、他アーティストへ楽曲提供やアレンジ、コラボまでこなす。ラジオもやってる。

 

お二人とも私より年上なので、ロールモデルにさせていただいてるのだが

なんでもかんでもやりゃあいいってもんじゃない、とさっき気付いた。

 

咲野さんはお姫様役をやらない。

西寺さんは(多分)オペラをやらない。

向き・不向きがあるからだ!!!!!!!!

 

 

私は厚塗りや劇画風が得意で向いてるのであって

デフォルメ絵は向いてない。そんだけのことに今日気が付いた。

 

お師匠様は「カット描きなら描けるタッチは多いほうがいい」と教えてくだすったが

そしてそれは事実だったが

私は向いていなかった。これぞ器用貧乏。

そして私は描きたいものがわからなくなり、絵を描く楽しさを忘れ、

どこぞの会社の正社員になろうとウゴウゴしていたのだ。

 

 

ポートフォリオサイトの、デフォルメ絵を消した。

自分のサイトをまるごと作り変え、そこには本当に見てほしい絵だけ載せた。

 

お仕事としてデフォルメ絵を依頼されればもちろん描く。

けれど、ロールモデルお二人を参考に、いつかは

自分の描きたいものを描いて生きて行けるように進んでいこうと思う。